プログラム

特別講演

特別講演1

8月23日(土) 13:40〜14:40「国際会議室501」

「⼦ども虐待の発⽣メカニズムと影響を探る」
座⻑:
井上 登⽣(中津こどもメディカルスーパーバイザー)
演者:
黒⽥ 公美(東京科学⼤学 ⽣命理⼯学院)

本講演では、⼦どもの愛着形成における不適切な養育の影響を、霊⻑類モデルを⽤いて明らかにした研究、⼦ども虐待加害者の背景要因をDevelopmental Pathway解析により検証した調査結果、さらに虐待関連の公的統計調査の深掘りの重要性について解説します。幼少期の虐待経験、家庭機能不全がもたらす社会的影響、そして⾮⾎縁成⼈との同居が重度虐待に与える寄与度を議論し、虐待予防策の科学的根拠を提供します。

特別講演2

8月24日(日) 10:40〜11:40 「国際会議室501」

「ICD-11におけるcomplex PTSD:児童期マルトリートメントの短期・⻑期的影響」
座⻑:
⼤治 太郎(聖ルチア病院)
演者:
⼤江美佐⾥(久留⽶⼤学医学部神経精神医学講座)

教育講演

教育講演1

8月23日(土) 12:30〜13:00 「中会議室502+503」

「体重増加不良の中に潜む鑑別が重要な⼩児の消化器疾患」
座⻑:
岡⽥あゆみ(岡⼭⼤学病院 ⼩児医療センター⼩児⼼⾝医療科)
演者:
⽔落 建輝(久留⽶⼤学⼩児科学教室)

教育講演2

8月23日(土) 13:00〜13:30 「中会議室502+503」

「成⻑・体格の異常を⾒逃さない:疾患と養育環境問題の早期発⾒の鍵」
座⻑:
岡⽥あゆみ(岡⼭⼤学病院 ⼩児医療センター⼩児⼼⾝医療科)
演者:
⼭本 幸代(産業医科⼤学医学部医学教育担当教員)

教育講演3

8月23日(土) 13:40〜14:40 「中会議室502+503」

「性暴⼒被害者⽀援における産婦⼈科医の役割」
座⻑:
⼩川  厚(福岡⼤学筑紫病院)
演者:
坂井 邦裕(⻄福岡病院 婦⼈科)

教育講演4

8月24日(日) 08:00〜08:50 「国際会議室501」

「救急外来の関わりが⼦ども⽀援につながるには 〜⼦育て⽀援の全体像から具体的な声かけまで〜」
座⻑:
古野 憲司(福岡⾚⼗字病院)
演者:
中村俊⼀郎(慶応義塾⼤学⼩児科)

教育講演5

8月24日(日) 08:00〜08:50 「中会議室502+503」

「⼦ども虐待と⾻・軟部組織超⾳波検査〜こども達の代弁者となるために〜」
座⻑:
横井 広道(四国こどもとおとなの医療センター⼩児整形外科)
演者:
⼩野 友輔(北九州市⽴⼋幡病院 ⼩児臨床超⾳波センター)

教育講演6

8月24日(日) 10:40〜11:40 「中会議室502+503」

「虐待対応で知っておきたい凝固異常〜家族に不要な負担をかけないために〜」
演者:
⽩⼭ 理恵(産業医科⼤学 ⼩児科学教室助⼿・⾎友病センター)

教育講演7

8月24日(日) 12:00〜13:00 「中会議室502+503」

「⻭科受診⾏動や⼝腔症状を通して考える⼦ども達の⽣活環境」
座⻑:
岩原 ⾹織(⽇本⻭科⼤学 ⻭科法医学)
演者:
岡  暁⼦(福岡⻭科⼤学 成⻑発達⻭学講座成育⼩児⻭科学分野)

共催セミナー

共催セミナー1

8月23日(土) 12:30〜13:30 「国際会議室501」

「⼦育てに役⽴つ漢⽅」
座⻑:
稲光  毅(いなみつこどもクリニック)
演者:
⼩川 恵⼦(広島⼤学病院 漢⽅診療センター)

共催セミナー2

8月24日(日) 12:00〜13:00 「国際会議室501」

「親のパーソナリティ障害と神経発達特性」
座⻑:
⼩曽根基裕(久留⽶⼤学医学部神経精神医学講座)
演者:
辻井 農亜(富⼭⼤学⼦どものこころと発達診療学講座)

国際シンポジウム

8月24日(日) 09:00〜10:30 「国際会議室501」

「⼦ども虐待医学と⼦どもの権利」
座⻑:
⼭⽥不⼆⼦(認定NPO チャイルドファーストジャパン)
演者:
奥⼭眞紀⼦(国⽴成育医療研究センター,こころの診療部)
⼭⼝ 有紗(⼦どもの虐待防⽌センター・国⽴成育医療研究センター社会医学研究部)
Bruce Adamson(Children and Young People's Commissioner Scotland)

本国際シンポジウムでは、⼦ども虐待医学の視点から「⼦どもの権利」を捉え直し、医療・制度・国際的実践をつなぐ対話の場を⽬指します。座⻑は、⻑年にわたり⼦ども虐待医学と⽀援の実践と啓発に取り組んでこられた⼭⽥不⼆⼦先⽣が務めます。奥⼭眞紀⼦先⽣からは、パリ原則や児童の権利に関する条約(CRC)の批准以降、こども基本法制定・こども家庭庁設置に⾄る国内の歩みが語られ、現在も未整備の⼦どもコミッショナー制度の課題が提起される。続いて、前スコットランドの⼦どもコミッショナーBruse Adamson⽒によるビデオメッセージを通じて、⽇々の実務や制度運⽤の⼯夫、そして⽇本への⽰唆が紹介される。⼭⼝有紗先⽣からは、⼩児医療や福祉の現場における⼦どもの権利の保障、⼦どもの声に寄り添う実践のためにできること、それを⽀える制度的な基盤のあり⽅について提⾔がなされる予定である。

⼦ども虐待法的対応セミナー

8月23日(土) 10:40〜12:10 「中会議室502+503」

「教えて!医療現場の法的対応 〜現場での疑問から⺠法改正(離婚後の共同親権等)に関する最新の問題まで〜」
座⻑:
⼀宮⾥枝⼦ (福岡県福岡児童相談所 児童福祉法務専⾨監・弁護⼠)
演者:
久保 健⼆ (福岡市こども総合相談センター 弁護⼠)
⼀宮⾥枝⼦ (福岡県福岡児童相談所 児童福祉法務専⾨監・弁護⼠)
森吉 研輔 (北九州市⽴⼋幡病院 ⼩児科)

児童虐待対応において、病院は児童相談所から意⾒や書⾯を求められることは少なくない、児童相談所は何を求めているのか?といった疑問や、そのほかにも⼦どもと保護者の⾯会はどう対応するべき?など⽇々感じている疑問、そして、この先、⺠法改正によって訪れる⽗⺟の共同親権など、医療現場での児童虐待対応における法的対応に対する疑問や課題を、児童相談所の弁護⼠と共に検討し、より理解を深めていきたい。

シンポジウム

シンポジウム1

8月23日(土) 09:00〜10:30「国際会議室501」

「周産期のメンタルヘルスケアと⼦どもの虐待予防」
座⻑:
中村俊⼀郎 (慶應義塾⼤学医学部⼩児科)
橋本 ⾹織(福岡⾚⼗字病院 ⼩児科病棟看護師⻑)
演者:
⼭下  洋(九州⼤学病院 ⼦どものこころの診療部)
⾕崎 瑛⾥(福岡⾚⼗字病院 ⼩児科病棟)
橋本 ⾹織(福岡⾚⼗字病院 ⼩児科病棟看護師⻑)
児⽟ 春菜(福岡⾚⼗字病院 産前・産後センター)

新しい命をむかえ親となることは、それまで築いてきた⽣活基盤や家族関係から⼤きく変化する場⾯である。育児の原点ともいえる周産期において、スムーズな第⼀歩が踏み出せるように⽀援することが重要である。若年妊娠、予期せぬ妊娠、養育者の知的・精神障害による育児困難、養育者⾃⾝が抱える幼児期の愛着障害など、虐待へつながる背景要因は多岐にわたる。特定妊婦に対する関わりは、妊婦⾃⾝からの相談だけではなく医療機関及び地域⾏政機関による積極的な関わりが不可⽋である。また特定妊婦だけでなく、現代社会における育児環境の孤独さや経済的基盤の不安定さなど様々な不安要素が、多くの養育者のメンタルヘルスに影響を及ぼしている。⺟親だけではなく家族への総合的なサポート体制を社会全体で構築していくことが求められている。本セッションでは、虐待リスクのある妊産褥婦を⾒逃さずに周産期から切れ⽬なく関わり続けることで虐待へつなげないための取り組みについて考える。

シンポジウム2

8月23日(土) 10:40〜12:10 「国際会議室501」

「スペシャルニーズのある⼦どもたちの居場所をデザインする 〜周産期と地域での実践〜」
座⻑:
荒⽊ 俊介(はぐむのあかりクリニック)
勝連 啓介(発達相談クリニックそえ~る)
演者:
網塚 貴介(⻘森県⽴中央病院)
丸⼭ 有⼦(いまきいれ総合病院)
⾦原 洋治(かねはら⼩児科)
⾦⼦ 淳⼦(⾦⼦⼩児科)

医療的ケアや神経発達症などスペシャルニーズのある⼦どもたちは不適切な養育を受けるリスクが⾼く、⽀援が必要な家庭が少なくない。周産期センターや地域の⼩児科医の取り組みを紹介し、⼦どもたちが安⼼して成⻑できる居場所づくりを考え、拡げるきっかけとなることを⽬指す。

シンポジウム3

8月23日(土) 14:50〜16:20 「国際会議室501」

「気になった!さあ、どうしよう?〜看護師にできる養育者⽀援〜」
座⻑:
梶原 陽⼦(福岡⾚⼗字病院)
⻑友 太郎(福岡⾚⼗字病院)
演者:
定栄 千佳(福岡⾚⼗字病院)
⿊川美知⼦(くろかわみちこ⼩児科クリニック)
村⼭ 順⼦(福岡⼤学病院地域医療連携センター)
⻘野 広⼦(福岡看護⼤学)

⼦ども虐待予防・対応において、⼦どもとその親への⽀援は⼩児看護の重要な役割のひとつである。しかし養育者⽀援の視点でいうと、現場では難しさを抱いている現状にある。そこで本シンポジウムでは、各施設の取り組みの現状と課題を共有し、看護師にできる養育者⽀援の在り⽅について考えていく場としたい。

シンポジウム4

8月23日(土) 16:30〜18:00 「国際会議室501」

「虐待の背景で押さえておきたい精神医学 〜親の精神疾患から希死念慮の対応まで〜」
座⻑:
松岡美智⼦(久留⽶⼤学神経精神科)
菊地 祐⼦(⼦どもと家族のメンタルクリニックやまねこ)
演者:
箱島 有輝(国府台病院 児童精神科)
⽯⽥ 哲也(久留⽶⼤学神経精神科)
千葉⽐呂美(久留⽶⼤学神経精神科)
吉村 裕太(福岡⼤学精神神経科)

精神疾患を持つ親と共に暮らす⼦どもの置かれる⽴場や影響について概説し、不安障害・アディクション(依存症)・発達障害と⼦育てへの影響について事例を交えて解説する。⽀援者が迷いやすい⼦どもの希死念慮に関する考え⽅や対応を学び、⼦どもの状況に気づいた⼤⼈に何ができるのか具体的な⽅策を検討する場としたい。

シンポジウム5

8月23日(土) 9:00〜10:30 「中会議室502+503」

「性虐待診療の現場から⾒える課題と展望〜それぞれの⽴場から〜」
座⻑:
川⼝ 真澄(那覇市⽴病院⼩児科)
⽊下あゆみ(四国こどもとおとなの医療センター)
演者:
三浦 耕⼦(沖縄県⽴中部病院 婦⼈科)
菊地 祐⼦(⼦どもと家族のメンタルクリニックやまねこ)
溝⼝ 史剛(前橋⾚⼗字病院⼩児科)

シンポジウム6

8月23日(土) 14:50〜16:20 「中会議室502+503」

「医療と児童相談所の連携〜児相が求める連携とは?」
座⻑:
⼀宮⾥枝⼦ (福岡県福岡児童相談所 児童福祉法務専⾨監・弁護⼠)
⽯倉亜⽮⼦ (函館中央病院 ⼩児科)
演者:
森吉 研輔 (北九州市⽴⼋幡病院 ⼩児科)
調整中

昨今、児童虐待対応において他機関・多職種による連携は⽋かせないものとなっており、特に、児童相談所と医療の対応が児童の⽣命・⾝体を守る⼤きな要となるケースも少なくない。しかし、⽴場の異なる機関が連携しあうには様々な課題が伴う。福岡県内の3児童相談所から医療連携が必要とされた事例を紹介し、各機関ができること、できないこと、そしてお互いが求めあうものを確認しつつ、医療と児同相談所の連携体制の在り⽅について追求したい。

シンポジウム7

8月23日(土) 16:30〜18:00 「中会議室502+503」

「被虐待児の診療録記載のポイントと開⽰請求への対応」
座⻑:
丸⼭ 朋⼦(⼤阪府⽴病院機構 ⼤阪急性期・総合医療センター)
演者:
本⼭ 景⼀(茨城県⽴こども病院 ⼩児救急・集中治療科)
橋倉 尚美(愛仁会⾼槻病院)
福⽥ 育美(四国こどもとおとなの医療センター 地域医療連携室)
根ケ⼭裕⼦(名古屋市⻄部児童相談所)

被虐待児を診療する際、⼦どもや保護者の語った⾔葉を医療者が要約することなく、そのまま記録すること、全⾝の⾝体所⾒を詳細に記録し、体表写真を記録に残すことも重要とされています。被虐待児の場合、複数の診療科の医師が診療にあたることが多く、重症児の場合にはしばしば⼊院期間が⻑く、診療録は膨⼤です。また、医のみではなく、看護師、公認⼼理師、保育⼠、リハビリテーションスタッフ、医療ソーシャルワーカーなど多職種の記録とともに、院外の関係機関、児童相談所や市町村、警察、検察等との会議内容なども記録されています。そして、この記録は、被虐待児の医学的な評価、児童福祉対応、裁判において重要な証拠となります。
しかし、刑事裁判では診療録の⼀部が切り取られ、誤った解釈がなされるケースも⽣じています。さらに、保護者からの診療録開⽰請求が⾏われ、保護者側の弁護⼠による医療機関批判に利⽤される懸念もあります。また、関係機関が提供した情報が診療録に記載されていた場合、診療録開⽰により、思わぬ形でその内容が保護者に知られてしまい、関係機関との間でトラブルが⽣じたり、その後の⽀援が困難になることがあります。診療録の適切な記載⽅法、開⽰請求への対応について、現状の課題について多職種で議論し、今後、現場で困らないように、迷わず対応できるようにするための第⼀歩にしたいと考えます。

シンポジウム8

8月24日(日) 13:10〜14:40 「国際会議室501」

「JaMSCAN研究委員会特別企画シンポジウム(案)」
座⻑:
安  炳⽂(京都第⼀⾚⼗字病院 救命救急センター)
演者:
調整中

シンポジウム9

8月24日(日) 14:50〜16:20 「国際会議室501」

「⼦ども虐待に対応する医師に求められる医師像とは?」
座⻑:
古野 憲司(福岡⾚⼗字病院 ⼩児科)
演者:
⽶⼭ 法⼦(秋⽥市⽴秋⽥総合病院 ⼩児科)
橋倉 尚美(社会医療法⼈愛仁会 ⾼槻病院 看護副部⻑)
岡⽥あゆみ(岡⼭⼤学病院 ⼩児医療センター⼩児⼼⾝医療科)

シンポジウム10

8月24日(日) 09:00〜10:30 「中会議室502+503」

「重篤事例急性期の現状と捜査機関との連携(⼩児救急・集中治療の現場から)」
座⻑:
武藤雄⼀郎(熊本⾚⼗字病院⼩児科)
安  秋⽂(京都第⼀⾚⼗字病院 救命救急センター)
演者:
賀来 典之(九州⼤学病院 救命救急センター)
⼭上 雄司(兵庫県⽴尼崎総合医療センター⼩児救急集中治療科)
起塚  庸(社会医療法⼈愛仁会⾼槻病院 ⼩児科)
⻄頼 慎吾(福岡県警察刑事部)

シンポジウム11

8月24日(日) 13:10〜14:40 「中会議室502+503」

「本邦における医療機関をハブとしたCAC 設立に向けた取り組み」
座⻑:
本⼭ 景⼀(茨城県⽴こども病院救急集中治療科)
演者:
守⾕ 充司(仙台市⽴病院 ⼩児科)
福⽥ 育美(四国こどもとおとなの医療センター 地域医療連携室)
毎原 敏郎(兵庫県⽴尼崎総合医療センター⼩児科科⻑)

シンポジウム12

8月24日(日) 14:50〜16:20 「中会議室502+503」

「気づきから始まる看護師業務とシステム化の⼯夫」
座⻑:
梶原 多恵(北九州市⽴⼋幡病院 看護部)
⽊島久仁⼦(群⾺県⽴⼩児医療センター)
演者:
野中 美喜(福岡市⽴こども病院)
藤⽥めぐみ(福岡⼤学病院)
橋本 優⼦(北九州市⽴⼋幡病院 看護部)
平⽅多美⼦(JCHO九州病院)
時津 晴美(飯塚病院)

⼩児医療の現場では、看護師による「違和感」や「気づき」が、虐待やネグレクトの早期発⾒、安全管理、家族⽀援などに直結する重要な情報源となる。しかし、こうした気づきは、⼗分に⾔語化・記録化されず、組織としての知⾒や対応⼒の向上に活かされないことも多い。本シンポジウムでは、福岡県内の5施設が、それぞれの看護業務における「気づき」の共有⽅法、チームとしての対応、教育研修、さらには仕組み化・制度化に向けた取り組みを報告する。具体的には、⼩児救急における即時的な判断と地域との連携、成⼈外来に同伴した⼦どもに対する偶発的な気づきと体制整備、医療的ケア児の⽣活環境での継続的な⾒守り、⻑期フォローを前提とした外来看護におけるCPTとの連携、そして気づきを可視化し活⽤するための教育・啓発ツールの⼯夫など、多⾓的な実践が紹介される。本シンポジウムを通じて、看護師が抱く「この⼦、気になる」という感覚を、いかにチームで共有し、現実の対応や制度へと昇華させていくかについて、多施設の知恵と⼯夫を学び合い、現場に還元可能な知⾒を得ることを⽬的とする。

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